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ラダははブログ ~ラダックで 母 奮闘~

ラダックの都「レー」でザンスカール人の夫と子供たちと過ごす毎日

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日本人の方がストックカンリでお亡くなりになった件について



昨日記事を掲載してから、過去にHidden Himalayaをご利用になったお客様や、今後登山をされたいお客様より多数問い合わせやメッセージをいただきました。


現時点で私が確実に把握している情報は、以下の通りです。

お亡くなりになった方は、日本の旅行会社が主催する募集型のツアーの一員でいらっしゃったということ。

そのツアーの日程。

メンバー構成(女性4名、日本人ガイド1名)

デリーのエージェントと、ローカルのエージェント。

お亡くなりになられた方の名前。


死亡の原因についてはの正確な情報は、噂のみが錯綜しているし、その時に一緒にいたという人や医師からの情報ではありませんので、私からはお伝えできません。


ただ、亡くなった時メインのガイドはグループと一緒に登頂にチャレンジするお客様と一緒にいて、ガイドがBCに戻った時にはヘリで運ばれていたと聞いています。


改めて感じたことは、ツアーの足並みを簡単に乱すことの出来ないことが、人数が多いツアーの最弱点なのではないかということです。


過去に、偶然ヤンペルが居合わせた、シンガポール国籍の方が1人ベースキャンプで亡くなったケース(メインのグループは登頂中)と酷似していると感じました。


グループの旅行だと、たとえサブガイドが一緒にいて重症のお客様についてケアをしていたとしても、グループを1人離れて下山する判断はお客様ではすることが難しいと思います。

無理だったら登頂あきらめベースで待機が、対策の限界でしょう。


グループと離れたとして、次どこで合流するの?病院に行ったとして、どんな処置を受けるの?誰が付き添ってくれるの?私がツアーに参加しているお客様だったらと想像すると、グループ(募集型のツアーであれば特に)に迷惑をかけるということも含めて、分からないことだらけで、ちょっとおかしいから先に降りるという判断はそう気軽には出来ないと思います。


Hidden Himalayaでも、もちろん今年もストックカンリの手配をさせていただきました。


正直に申し上げますと、Hidden Himalayaのお客様の今年の登頂率は例年に比べなぜか非常に悪く、改めて記録を見ると、約八割のお客様が登頂をあきらめ、予定していた日程を縮めてレーに戻ってこられました。

高山病の最大の処置は、高度を下げることが鉄則です。

中には、登頂断念後ベースに戻られ、その後ベース泊だった計画を急遽変更、一気にレーまで降りてきてくださったお客様もいました。

せっかくの登頂目的のご旅行にもかかわらず、日程を縮めてレーに戻ってくださるという、素晴らしく賢明でありがたい判断を皆様がしてくださっていることに、手配をしてレーでお客様の無事を祈って待っているものとしてお客様とガイドにただただ感謝しかありません。

ストックカンリに関しては、正直、山の経験のない方も気軽にチャレンジする山です。

その分、特に高山病が原因の死亡ケースは年に少なくとも数件は発生しています。


体力や高度に対する備えなど、努力で克服できる問題だけではなく、私達はその時の迅速な判断と日程変更をして下山することこそが人命を救えるかもしれない最大かつ最後のチャンスだと思っています。

もちろんどんな優秀なガイドがついていて、万が一の際に適切且つ最迅速な対策を講じたとも、事故や病気での死亡ケースが発生してしまうのは最後の最後は運次第だと思います。

だからこそお客様が重症や意識不明になった時ガイドが一緒にいれる環境でないと、最善が尽くせなかった、もしかしたら助かったかもと悔いが残るのではないでしょうか。

Hidden Himalayaで事故が起こっていないのは、最大限の対策と、それよりも何よりも今まではただただ運が良かっただけなのだと毎日毎日毎日毎日思っています。


日本の方がお亡くなりになってしまったという重い重い事実をしっかりと受け止め、今後のガイドへの指導、お客様へのご案内、そして私自身が常に何か起こってしまうかもしれないという危機感をしっかりと持って、もちろんストックカンリに限らずできることを積み重ねたいと心から思っています。


最後に、私は実はお亡くなりになられた方と面識がありました。

お話したのは数分でしたが、とても誠実な、とても素敵な方だと感じました。

トレッキングから戻られてから無事のご連絡をいただくのを楽しみに待っていたので、本当に悲しいです。

ご冥福を心からお祈りします。


Hidden Himalaya 上甲紗智


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