昨日の朝「リンポチェのところに行こう」と夫。
リンポチェとは、生き仏の事です。
創一の足が折れた原因をラモ(神おろし)さんから「ミカ」だと診断され、さらに「ミカ」を取り除くためにはリンポチェのところに行きなさいと言われたため、それに従ってのリンポチェ訪問。
「ミカ」とは、まわりの人たちの噂などによって、たくさん名前を呼ばれる事により、健康上に被害が及んだり、良くない事が起こったりする事をさします。
私も以前ザンスカールに行った時、それはそれは強いミカにやられた事があるので、ミカの恐ろしさは十分わかっています。
ミカの恐ろしさは十分わかっているつもりです。
でも、創一が怪我をしたのは、ヤンペルの不注意からであって、まさかミカが原因と結論付けられるとは夢にも思いませんでした。
日本人妻の本音(・・・・でも、こっちの人が、悪い事をなんでもかんでも「ミカ」「ミカ」「ミカ」って言って反省とか熟考とかせずに簡単に終わらせるのはとっても嫌ッ!!)
なんとなく納得のいかないそんな「ミカ」ですが、夫の提言に従って、チョグラムサルにお住まいの、ツェトゥルリンポチェのところに行ってきました。
いつもの格好に見えますが、

リンポチェのところに行くのですから、それはいつもと差をつけて、ザンスカールの親戚が作ってくれた、ドピンクの一張羅を中に着こんでいます。
私「一張羅きてるんだから、美しく撮ってね」

怒ヤンペル「一張羅の裾が靴下の中に入ってる」

ヤンペルが撮影するといつも怒り顔な私。
もうちょっとマシな顔に撮ってよと不満が残ります。
さて、ツェトゥルリンポチェ。
そのたぐいまれなるお力を頼りに、それはそれはたくさんの人がリンポチェのところに問題を解決してもらいに来ていました。

見てくださいこの行列。

混み合いまくりでちょっとびっくり。
建て物の中に入り、リンポチェに近づくと自然に手を合わせる長男創一。

あいかわらず敬虔な仏教徒創一。
周りに従って、五体投地など一通りやっていました。
創一と違って、そんなに敬虔ではない私は、五体投地もそこそこに、リンポチェの撮影。

そしてついに、私たち一家の順番に。
リンポチェによって祝福が授けられたあと、それぞれが抱える問題をリンポチェに相談します。
ヤンペル「長男が足を怪我したんですが、ミカが原因だそうです、お願いしますッ!」
この瞬間、私は言いたい事はたくさんあったけれど、ここはマジな場面なのでぐっと我慢。
うつむいてじっと耐えている間に、何かが頭上で行われて、創一のミカは消え去りました。
終わりかとおもったらさらに夫ヤンペルがリンポチェに相談事を始めました。
ヤンペル「夫婦喧嘩がわりと頻繁に起こるのですが、それもお願いしますッッ!」
耐えました。
私はぐっと耐えましたよ。
その日の前の晩、確かに大きな夫婦喧嘩しましたけれど。
それは全面的にヤンペルが悪かったとヤンペルが認めて終わりを迎えましたよねーーーーッ!!!!と叫びたかったです。

ですが、私は大人。
こんな厳粛な小さな部屋で暴れだすわけにもいかず、じっと耐えて夫婦喧嘩の種を取り除いてもらいました。
この相談を終えると、リンポチェとは別のお坊さんが「それでは、このお祈りを行いなさい」と何やら紙に書いてくれました。
どうやらこのめちゃくちゃ忙しい時期に、一番優先してしなければいけないお祈りが発生してしまったようです。
今日もヤンペルは特別なお祈りをする事が出来るお坊さんを探し回って一日を終えていました。
「大変なホビーだね」と意地悪を言ったら、絶句していました。